2013年2月27日水曜日

患者さんは待ち順よりも、待ち時間が知りたい



お世話になっている税理士の先生が、先日こんなことを言っていました。「通っているクリニックが病院予約システムを入れたんだけど、かえって面倒で結局ふつうに並ぶようになっちゃいました。」詳しく伺ってみると、どうやら「順番お知らせの方法」に問題があったようです。

そのクリニックが導入した病院予約システムは、「電話自動応答で順番待ちの予約ができる」システムです。また順番が近づくと、「あと5人であなたの順番です。」というお知らせの「電話」がかかってくる仕組みでした。クリニックに行く前に順番待ちができるので、院内での待ち時間が減るし、便利そうだと思ったので早速使ってみたそうです。

ところが、いざ順番待ちの予約をしてみると、ひとつ気になることがありました。それは「あと5人になるのに、あと何分ぐらいなんだろう?」ということです。患者さんにとっては、10分待つのか、1時間なのかによって、その間にできることが変わります。ですので、患者さんが本当に知りたいのは「待ち順〇番目」ではなく、「自分の順番まであと〇分ぐらい」という情報なのです。これがわかると患者さんは安心して、予定を立てることができます。

その税理士さんは、予約したものの「いつ電話がかかってくるか、ソワソワしてしてしまって落ち着かないので、結局、直接クリニックに並ぶようになった。」とのこと。電話自動応答での予約も少し時間がかかってしまい、「行ったほうが早い。」と思ったことも原因の1つのようです。

クリニックの方も、電話で予約できれば、老若男女だれでも使えるからとの思いで導入をされたのだと思いますが、患者さんは「本当に便利」でないと使ってくれません。上記のような、患者さんの目線を欠いたシステムは、せっかく導入しても利用率が低くなってしまいます。

患者さんの立場でシステムをつくると、「1.順番待ちの予約をした時点で待ち時間がわかる。」ことと、「2.その時間が、診察の進行状況によってリアルタイムで変わる」こと、そして「3.〇分前になったらお知らせがくる」という3点セットが必要になると思います。これらが揃わない電話だけのシステムは「便利そうに見えて、結局使えない。」ということになりがちですので、病院予約システムをご検討の際は、十分考慮されることをお勧めします。因みに、携帯予約のできる病院予約システムであれば、通常この3点セットが使えます。

ちなみにこの税理士さんは、60代後半の男性です。いわく「30分だろうが60分だろうが、だいたいの待ち時間さえわかれば、時間つぶしたりして待ってるんですよ。それが分からないから、直接行って受付スタッフに聞いちゃうんですよねー。ははははは。」とのことでした。残念ながら、システムの意味がないですね。「待ち時間の長さ」も重要ですが、それ以上に、「何分待つのかを知ることができる仕組み」を患者さんは求めているのだと思います。





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