病院予約システムの中には、フリーソフトがいくつか存在します。
フリーソフトはその名のとおり無償で利用でき、実際に運用に乗るのであればこれ以上良いことはありません。
一方で、完全無料であるということは、ほとんどサポートを受けることができないということでもあります。また、機能・性能の追加・向上も期待できません。
これは無料であるからには仕方のないことだと思います。
こういった無料の予約受付システムについては、開業医の皆様のご要望も多かったのでしょうか、一時は提供されていたようですが、最近は新しく登場していないようです。
これには以下の理由があると思われます。
1. 急速に変化するIT環境
インストール型のソフトは新しいOSに対応しない限り使えなくなっていきます。フリーソフトは、OSの変化にコスト的に対応できないことが多く、徐々に廃れていきます。
また、患者側のモバイル端末の変化はさらに急速です。
携帯電話はメーカーや年代によってかなり仕様が違うため、同じシステムでも、うまく表示されない端末があったりします。それに合わせて、システムメーカーも対応開発を行う必要があります。また、スマートフォンの登場により、さらに新しい技術と開発コストが必要となってきています。
フリーでは、とても対応しきれないレベルといってもいいと思います。
2. 病院予約システムの適正価格化
一方で、開発側の技術やノウハウの集積、あるいは競争の激化によって、診療予約システム自体の価格は下がってきています。
まだ、50万円程度の初期費用と、数万円のランニングコストがかかるものが主流ですが、初期費用無料、月額1万円から利用できる、いわゆるSaaS型(Software as a Service)の病院予約システムも登場しました。
クリニックが手ごろな価格で利用できるシステムが増えてきたため、フリーソフトはその役割を終えたとも言えます。
3. フリーソフトでは自分の病院・クリニックに必要な機能を満たせていない
言わずもがなですね。
予約受付の運用方法は、当然、病院・クリニックによって差があります。有償のソフトは、それに対応できるように企画・開発されている、というよりもそうしないと企業として生き残れないので、必然的に多様な運用にたえるように設計されます。
フリーソフトの開発者にその必要はありません。それは、たくさん利用されても、少なくても何も変わらないからです。利用できる人だけが、利用してくれれば基本的にはそれでいいのです。
以上、無料の病院予約システムは確かに存在しますが、実際に現場で利用するには、長期的な目でよく検討することが必要だと思います。
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